2023/06/29
先日奈良で開かれた日本肝臓学会で奈良宣言2023 『 Stop CLD(慢性肝臓病)』が出されました。
これは「健診などで肝機能の数値のALTが30以上の方は、かかりつけ医を受診して慢性肝臓病になるのを防ぎましょう」という宣言です。
従来慢性肝臓病になる原因はB型肝炎やC型肝炎といったウイルス性肝炎やアルコールの飲み過ぎが主なものでした。
現在ウイルス性肝炎は治療薬が開発され治る時代になっています。
これに代わって現在問題になっているのは、生活習慣に起因する脂肪肝です。
脂肪肝にはアルコールの飲み過ぎによるものと、アルコールを飲まないけれど肥満などに伴う脂肪肝があります。
いずれも脂肪肝のうちにきちんと対処すれば正常の肝臓に戻りますが、
そのまま放置すると慢性肝炎から肝硬変、肝臓がんと進行する可能性があります。
健診で肝機能異常を指摘されても、症状がないためそのまま放置される方も多く見受けられます。
将来肝臓がんで命を落とさないように、もし健診などで肝機能異常を指摘されましたら受診して頂き、
腹部超音波検査などで肝臓の状態をきちんと把握していただくことをお勧めします。